紀伊半島 尾鷲市 亥谷山 (689m) 2011年1月1日

所要時間 6:40 巡視路入口−−6:59 林道−−7:27 送電鉄塔−−8:05 亥谷山−−8:33 送電鉄塔−−8:47 林道−−9:01 巡視路入口

概要
 送電線巡視路を延々と歩く。140m鞍部を越えた先に林道があり登山口標識もあった。山頂は送電鉄塔が立ち展望良好。初日の出は杉植林の中で見物となった



巡視路入口から西を見る 巡視路入口を抜けた人家裏

 新年早々の山はどこにするか悩んだ。天気予報では大みそかは荒れ模様の天気で夜は雨か雪の予報。下手な所に行くと路面凍結の可能性があり、濡れた籔に突っ込むのもイヤだ。ということで雪の可能性が少ない海岸沿いの低山で、しかも登山道がある山を検討した。地図を見ていたら亥谷山が目に付いた。地形図では破線は無いが山頂を送電線マークが横切っており、その巡視路が確実に存在する。巡視路は地形図に出ていないので通常は使いようが無いが、亥谷山の場合は麓の発電所から送電線マークが続いており、おそらく発電所付近から巡視路が始まっているはずと予想した。賀田の銀杏集落が巡視路起点と思われたので現場に行くと予想的中、巡視路を示す小さな標識が道路脇に立っていた。この付近は集落で車を置く適当な場所が無く、100m程度西に戻ったところにある広い場所に車を置いて歩きだした。まだ周囲は薄暗い時間で樹林に入ると暗そうだ。

山道が始まる このレベルの道の濃さ

 人家の隙間を向けて用水路を渡ると斜面に取り付き、踏跡程度の巡視路を上がっていく。関東の巡視路と違ってイマイチ薄く、慣れない人だとルートを失いそうだ。周囲が籔で巡視路しか歩けない状況だったら間違えることはないが、植林帯で下草が少なくどこでも歩けるため踏跡が分かりにくい。まあ、上を目指せば問題ないだろうけど。所々に送電鉄塔の番号が書かれた標識が立っていてルートから外れていないのが確認できた。

140m鞍部で尾根に乗る 北斜面をトラバース
谷で林道に遭遇 塞がれた登山口

 急斜面を登り切って尾根に乗ると明瞭な道に遭遇、右と左にルートが分かれるが右は143.5m三角点付近の送電鉄塔に行く道のはずなので左に行く。緩く下って谷状地形に出ると地形図にない林道が登場、どこから上がってくるのか不明だがここまで車で入れるようだ。林道を僅かに登ると亥谷山登山口登場、おお、ちゃんと登山対象の山だったんだ。でも登山口はロープで塞がれていた。たぶんこの下で行われている高速道路工事の影響だろう。トンネルを掘っているはずだがここでは工事現場は見えない。問題なかろうとそのまま進んだ。

人工林の中で初日の出を迎えた 鉄塔出現

 以降も植林が延々と続き、展望が開ける場所は無い。やがて日の出の時刻を迎えたが東の海上は雲が立ち込めて太陽はその向こう側らしい。7時を回って雲の上から太陽が顔を出したのが樹林の隙間からかろうじて見えた。

鉄塔付近の案内標識 自然林の尾根を登る
露岩帯 露岩を抜けると左上にルートが分岐

 標高390mで送電鉄塔下を通過して太い尾根に乗ると照葉樹の自然林となる。残念ながら冬でも葉っぱが茂っているので植林と同様に展望は無い。ただ、葉がある分だけ冷たい北風を遮ってくれるのは助かる。尾根を辿っていくとやがて露岩が増えてきて巡視路は右を巻くようになる。たぶんこのまま行くと主尾根を外れて標高520m付近にあるはずの送電鉄塔に達するだろうからこのまま尾根を行ってもいいのだが、山頂の送電鉄塔に行くルートもあるはずでとりあえずこのまま巡視路を進んでみた。露岩の基部を東から巻いて再び樹林になったところで左上に分岐する踏跡が登場し、「亥谷山」の案内が出てきたのでここで上に進路を変更する。

谷を登る 稜線に出ると食害防止網が出現

 照葉樹林の浅い谷を上がって稜線に達すると、昨日の大谷山手前のように西側斜面に若い植林帯が登場し、鹿の食害防止ネットが稜線沿いに張られていているのだが、それが巡視路に垂れさがって歩きにくい。実際は巡視路は稜線上ではなく稜線の東直下を通っていたのは下山時に分かったが、登りではその道に気づかず稜線上を歩いた。さすがにネットの障害物は足に絡みついてやっかいで、植林の中にルートを移して登っていく。

最後の登り 送電鉄塔の立つ亥谷山山頂
亥谷山から西側の展望(クリックで拡大)

 やがて右手から明瞭な道が合流(これが正しい巡視路)、再び歩きやすくなる。稜線上ではなく東直下の照葉樹林中を登っていくと、樹林が開けて巨大送電鉄塔の根元に出た。ここが亥谷山山頂であった。南〜西にかけて展望が広がり山並みが続いていた。熊野灘も見えており、すっきり晴れて太陽光を感謝して輝いていた。三角点は鉄塔の奥の方にあって山頂標識も複数あった。かなり風が強く長時間休むには寒すぎるし、この程度の登りではさほど体力を消耗しなかったので、休憩なしで下山を開始した。

 植林の食害防止ネットが邪魔な区間は稜線東側に巡視路が続いて下山時はパスできた。ずっと下っていっても人っ子一人いない。まあ、登山口に入山禁止の看板があるんだからなぁ。でもこれだけ明瞭な道が存在するのだから、少なからぬ人数が歩いているに違いない。林道を突っ切って急斜面を下り人家の裏手へ。元日なので日が高くなっても静かなままだった。 

 

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